三日月を描くのって苦手です。
その形からうまくまん丸い姿を想像できなくて、きれいに描けないからです。
三日月…欠けているもの、満ち足りていないもの、不完全なもの。
鋭く、美しくて、常にどこか寂しいもの。
うまく描けないのだけど、つい描きたくなる。それは、三日月に何かしら引力のようなものがあるからだと思います。
期待と幻滅。希望と諦観。過去と未来。引力と斥力。満ち潮と引き潮。満月と新月。
相反するもの、受け入れないものが鋭く冷たい光を放つ。それが三日月。
これから満ちていくのか、それともこれから引いていくのか。
せめてそれだけでもわかっていれば、これから先の道標になるのに。